高校生のほとんど全員はなんらかの模試を受けたことがあると思います。
模試と一言で言っても様々な模試がありますが、皆さんはそれらをどのように活用していますか?
偏差値や合格判定を見るだけで終わってしまっていては、模試を受けた意味は半減どころでは済みません。
ということで今回は返却された模試の具体的な活用法について紹介していきたいと思います。
大前提
まず大大大前提ですが、間違えた問題の解説は必ず熟読して、その上でもう一度何も見ずに解き直しましょう。
「そんなの当たり前じゃん」っていう人はいいです。
これすらしない人が余りにも多すぎるのです。
間違えた問題の解説を読む人はいても、その後でもう一度自力で解き直すという作業をする人が意外と少ない。
理数系の問題に関してはまだ自力で解き直しをする人がそこそこの割合でいますかね。
解き直しが最もいい加減になるのが国語です。
国語の論述問題の復習だったら、もう一度文章を読んだ後で自分の言葉で論述します。
国語は自分で書く練習をしないといつまで経っても論述が得意にはなりません。
国語の論述問題の解答は、文のつなげ方や助詞の使い方に無駄がありません。
そんなきれいな解答を読んで「なるほど、こうやって書けばよかったのね」と思ったとしても、その解答と同じように自分の力で書くことは難しいでしょう。
実際、全く同じように書く必要もありません。
国語は解答に必要な要素が適切な論理で書かれていれば良いのです。
解答の文章を理解する能力と自分の頭で考えて文章を作る構成力は全然違います。
どの要素を解答に盛り込めばいいかは分かっていても、それらをうまくまとめ上げられないならば点数は削られます。
このまとめあげる構成力は自分で書く練習を積み重ねなければどうしても上達しません。
必ず自分の言葉で一から解答を書いてみましょう。
なんだか国語の話中心になってしまいましたが、それくらい模試の国語の復習は特に力を入れてほしいということです。
解説を読んだ後に、その解説を全く見ずに解き直し。
これだけは覚えておいてください。
マーク模試ではミスの種類にまず着目
マーク模試の反省では時間があっても解けなかったのか、時間があれば解けたのかをまず判断してましょう。
時間があっても解けなかった場合は基礎事項の確認をすればいいのでシンプルです。
ただ、時間不足による場合はその時間不足がどのような原因で引き起こされたものなのかを確認しましょう。
例えば、計算ミスの連発による時間不足ならばどういう計算ミスが多いのか(ex.小数点同士の掛け算)をはっきりさせます。
その後メモ帳でもなんでもいいので、そのミスの種類とミスを無くす方法をできるだけ具体的に書いておきましょう。
頭で思っているだけと文字に書き起こすのでは意識のされ方がまるで違います。
また、そのメモ帳を模試の直前に見るだけでも数点、場合によっては10点以上変わりえます。ミスと言っても種類があるので、ミスの分類により曖昧さを無くし、効率的に対処しましょう。
数学が上出来だったときは偶然の可能性を疑え
主に記述模試の数学に関してですが、数学は”ハマる”時があります。
自分の得意分野だけ出た時などはとんでもなく高い偏差値がでるときがあります。
数学は1問あたりの点数が高いので、数学が周りより1問出来ただけ他の科目の失敗を十分にカバーできてしまうのです。
例えば京大理学部の数学は1問50点です。
数学の大成功によりA判定がでたときなんかは他の科目の失敗を軽視しがちです。
本番でもその成功模試と同じ点数が数学で取れればいいですが、数学を高得点で安定させるのは至難の技。
他の科目が失敗したにも関わらず数学でも高得点が取れなかった場合、合格は難しくなります。
A判定がでると嬉しくなる気持ちは分かりますが、そのA判定が極端な数学の偏りによるものであった場合は要注意。
数学が少しコケてしまった時でも大丈夫なように、他の科目の状況も抜かり無く確認しましょう。
私自身、京大模試の数学で偏差値が70を超えたことも、50を割ったこともあります…余程の実力者で無い限り数学の過信は禁物です。
英語は数学と比べたら大分安定する科目なので、個人的には英語が得意になると心に余裕が生まれると思います。
【難関大志望者へ】 記述模試の結果が悪くても…
難関大を目指す方は大学別模試(一般に冠模試と呼ばれます)を受けることになると思います。
さて、人によっては冠模試の結果は良かったけれど記述模試の結果が悪かった…という方がいるでしょう。
これに対して私の持論は冠模試ができているならその他の記述模試は無視して良い、です。
この意見に関しては賛否両論でしょう。
「基礎力を確かめるために一般の記述模試の判定も重要」という反論はありそうです。
しかし、冠模試でも基礎力の確認はできると思われます。
冠模試では確かに直接的な基礎の確認は、一般の記述模試に比べたら少ないですが、基礎力が無ければ冠模試で良い成績を取ることは不可能なはずです。
また、大学によっては記述模試と冠模試で形式が大きく異なるというのも留意しなければなりません。
自らの志望する大学から求められている能力の向上に注力した結果として他の面で劣ったとしても問題ありません(滑り止めを考慮するのならまた話は変わってきますが)。
志望大学の傾向に特化するべきなのです。
勿論、冠模試も記述模試も両方できているに越したことはないですが、冠模試ができているのならその他の記述模試が悪くてもそんなに気負う必要はないですよ。
判定はオマケ
模試というと判定が一番気になるところではあると思いますが、判定はオマケだと思いましょう。
重要なのは本番までにどの教科のどの部分の点数を挙げるべきなのかを確認することです。
模試は受験というゲームを少しだけ楽しくしてくれるプラグインです。
偏差値という絶対的な数値で全国のプレイヤーと戦うことが出来ますし、クラスの人ともその数値を使ってローカルプレイに興じることが出来ます。
模試をうまく活用しつつ、できるだけ楽しんで受験勉強を進めていきましょう。
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