受験勉強していざ大学に入学したものの、大学での勉強が思ったものと違ったという人は少なくないでしょう。
でも殆どの人はそこで我慢して卒業すると思います。
問題なのはどうしても現状に我慢ならないという人。
中退、転部、再受験などの選択を迫られます。
私自身その経験があります。
高校生の時は理系で、高校卒業後は理工学部に進学しましたが勉強内容に全く興味を持てませんでした。
そして進路変更を決意。文転して受験をしました。
最終的には京大の文学部に行きました。
今回はその経験から言える、文転するにあたって楽だった面と大変だった面を書いていきます。
文転を考えている人は是非参考にしてください。
楽だった面
まず「結局文転は楽だったか大変だったかというのが気になる!」という人が多いと思います。
結論、総合的にみると文転は楽だった(より正確に言うならば理系受験より文系受験のほうが楽だった)。
勿論これは人によると思います。
まずは、理系受験と比べて文系受験のどの面が個人的に楽だったのかについて書いていきます。
理科2科目→社会1科目
理系の二次試験は一般的に理科は2科目必要です。
私は物理と化学を選択してました。
この理科2科目というのが割と重かったんですよね…
(物理は良かったんですけど化学が最後までできなかった。)
それが社会1科目になったのがすごい楽でした。
私は二次試験の社会では世界史を選択しました。
世界史それ自体が楽だったというわけでは全くない(後述)のですが、やはり物理・化学が世界史1つになることに関しては負担減でしたね。
※東大は二次試験で社会2科目必要ですが
勿論、センター試験では社会を2科目選択しなければなりませんでした。
しかし、志望校であった京都大学ではセンターの比率が低かったので、社会1科目くらいの点数が低くても些細な問題でした。
一次試験の比率が高い大学だとここらへんが大きな問題とはなりそうですね。
ちなみにセンター社会は世界史の他に倫理・政治経済を選択しました。
また、この副科目の負担が変わったことだけでなく数学の負担軽減もかなり助かりました。
数学の負担
まず、文系だと数学Ⅲがなくなります。
これメチャクチャでかかったですね。
数学Ⅲって結構演習積まないといけないので結構大変でした。
さらに、入試問題の数学が簡単になるというのも大きかった。
文系・理系のどちらでも、数学が得点源になるとかなり受験は有利になります。
そして一般に大学入試の数学は文系のほうが理系よりも簡単です。
一橋大学の数学は結構難しいイメージがあるけど。
京都大学もその例にもれず、文系数学は理系数学よりは簡単で、自分にとってはかなりの得点源でした。
というか周りに差をつけられそうな科目が数学しかありませんでした笑
9割くらい取れた年もあって、本番では8割を目標にしていましたね(実際の本番は7割くらいだった気がする…)。
合格できたのは完全に数学のおかげでした。
理科基礎
理科基礎ってメチャクチャおいしい科目なんですよね。
あれで100点分ってすごい。
理科基礎では物理基礎と化学基礎を選択しました。
前述の通り、理系で物理と化学をやっているわけですから基礎科目の内容は全て知っていました。
ですから殆ど勉強する必要がなかったです。
理系の人でいうと一次試験で社会1科目を勉強する必要がないのと同じ感じですかね。
かなり楽になることがご理解いただけると思います。
世界史の大変さ
あくまで総合的にみたら理系受験よりも文系受験の方が楽だったというだけで、世界史の勉強それ自体は大変でした。
理系の時は地理を選択していましたが、文系では前述の通り世界史を選択。
世界史は完全な独学スタートでした。
センター世界史9割の記事でも書きましたが、最初は本当に勉強法が分からず戸惑いましたね。
多分勉強し始めの3週間くらいは勉強法模索で終わってました笑
勉強法を確立できても、そこからも結構大変でした。
あるあるかもしれませんが、暗記の作業が本当に面倒だった。
例えば物理とかの理解系の科目なら、一度公式の原理などを理解した後にある程度問題演習をすれば”忘れる”とかはあまりないんですよね。
でも世界史に関しては、歴史用語の暗記はどうしてもしなければいけませんし、それらは時間がたつと割とすぐに忘れてしまう。
その暗記という作業の大変さに加えて、歴史用語が時代と地域でこんがらがるということにも困らされました。
私の用語の整理力(?)が甘いのかもしれませんがこの問題は最後まで纏わりつきましたね。
例えば化学で、「pHを計算するところをpH=-log[H+]でやらずに間違ってボイルシャルルの法則を使っちゃったー」とかありえない、というか意味わからないじゃないですか?
でも世界史だとそんな感じのことが起こる(ちょっと違うか?)。
…とにかく私が言いたいのは、
・せっかく苦労して覚えた用語でも定期的にメンテナンスをしないとすぐに頭から抜けていく。
・用語単体だけ知ってても意味がなく、時代背景・地域などの様々な周辺情報と一緒に頭にいれなきゃいけない
ということが大変だったということ。
世界史それ自体は結構面白かったのですが、やはり用語の暗記はかなり面倒に感じましたね。
文転で大変だった面はこの世界史の勉強が大部分を占めていました。
国語は?
文転で国語が不安という話はしばしば耳にします。
しかし、国語の中でも現代文に関してはあまり文系理系関係ない気がします。
論説文とかは論理的思考力の問題ですしね。
また、現代文というのはそこまで差がつかない科目です。
解答のポイントさえ大きく外すことがなければ点数は入りますからね。
致命的に現代文ができないという人は取り敢えず現代文へのアクセスとかで必要最低限の勉強をしておきましょう。
現代文の点数UPに固執しすぎるのは危険であるというのが持論です。
足を引っ張らない程度のレベルになったら一度現代文は置いておいて他の科目を頑張ったほうがコスパがいいです。
国語でそこそこ頑張らないといけないのが古典です。
京大の話になってしまいますが、京大現代文はあまり差がつかない上に付け焼き刃ではどうにもならない感があります。
ですが、古文に関しては勉強をする意味があるなと思いました。
京大の古文は傍線部を現代語に訳すだけの問題も結構でます。
それらの問題は単語と文法を頑張れば結構マシになります。
そのような単純な問題が出題されるのにも関わらず、古文を勉強しなかったとしたら流石に周りと差がつくことになるでしょう。
覚えてしまえば点数が取れるような科目で点数を落とすのはもったいないですから、しっかり勉強しておきたいものです。
まぁ勉強とは言っても理系の方も一次試験のために古典を多少は勉強しているはずですから、文転後の負担はそこまで大きくはならないと思います。
社会次第
文転における問題の9割くらいは社会ができるかどうかだと思います。
理系から文系に移る場合の各教科の変化をまとめると
英語→理系でも文系でも変わらない
国語→古典を理系のときより少し多めに勉強
数学→圧倒的に楽になる
理科→ほとんど勉強しなくて良くなる
社会→1科目増える
という感じになります。
社会に関しては理系受験時にセンター試験(これからは大学入学共通テスト)で使っていた科目を文系受験の二次試験で使えば初学ではなくなりますから負担も減るでしょう。
それに加えて、二次試験の社会で周りに大きく差をつける必要もないです。
なぜなら文転勢の多くは数学で周りに差をつけられるから。
逆に文系数学で周りより点数が取れないとキツイかも…
文転・理転は大きな進路変更となります。
慎重さも必要ですが、受験を考えると決断は早いほうが良いところ。
取り敢えず「文転してみようかなー」くらいのことを思ったら受験をそんなに意識せず、まずは社会を軽く勉強してみればいいと思います。
手を動かして初めて分かることというのがきっとあります。
この記事を最後まで読んでくれた方の多くはそれなりに文転機運が高い人だと思います。
早速今日から社会の勉強を始めてみてください。
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