今までずっと漠然と受験勉強を嫌い、そして辛いと感じていましたが、具体的にその何がつらいと思っているのかを言葉にしてみることにしました。
解決策を提示できるわけではありませんので、これをみて解決策を考えるか、傷の舐め合いをするかになると思います。
「勉強が嫌い」とは?
勉強が嫌いだから大学受験が辛いというのは一番ある話でしょう。
では、勉強が嫌いとは何なのでしょうか。
私は、”勉強が嫌い”というのは厳密には”勉強にかかる労力が嫌い”ということだと私は思っています。
勉強過程と勉強結果を完全に切り離してみてください。
勉強で得られる結果、すなわち知識や思考法の獲得それ自体は楽しいことだと多くの人は感じるはずです。
例えば、「あなたの興味のある専門知識に関して、何の苦労もなしにそれらを完全に理解できるプログラムをあなたの脳にインストールできます」と言われたら、特にデメリットは無いですし、多くの人がそのプログラムを享受すると思います。
新しいことを知ること”自体”は楽しいですからね。
しかし、この新知識獲得のためにとんでもない時間や労力がかかる(これが勉強過程)と「コスパが悪い」となってしまい、勉強をしなくなるのです。
この過程自体が楽しくない、もしくは勉強結果に比べて割に合わない状態が続くと、いわゆる”勉強嫌い”になります。
受験勉強の過程を面白くできる?
さて、では受験勉強はどうかと言うと過程を面白くすることがかなり難しいです。
その理由をまとめると、合格を最優先事項にすると勉強過程のコスパを意識せざるを得なくなり、その結果過程を楽しむ精神を捨てなければいけなくなるからとなります。
何言ってるか分からないと思うので、それの具体例でパッと思いつくものを以下に2つあげました。
①興味のない科目も頑張らなければならない
②合格を最優先させると何かを探求している時間はない
①に関しては、嫌いな科目から避けられないという単純な話です。
よく言われることに、「苦手を頑張って伸ばしても平均レベルにしかならないから得意を伸ばすべき」というのがあります。
これには私も賛同しますが、こと受験勉強(というか試験勉強?)に関して言えば、苦手科目を頑張ったほうがコスパが良いです。
受験は総合点勝負であり、30点を60点にするほうが、60点を90点にするよりもはるかに簡単だからです。
しかし、当然ながら30点を60点にすることは苦痛を伴います。
コスパを考えると、その苦痛に自ら飛び込まざるを得ないのです。
次は②の、”合格を最優先させると何かを探求している時間はない”について。
これは受験勉強をなんとか楽しいものにしようとしてもできないという葛藤です。
例えば数学であれば、「この問題にはどんな定理が背景にあるのか」を調べたり、「この問題を一般化したらどうなるか」を1人で何時間も考えたりするのが楽しかったりします。
実際そういうことをしていけば実力はついていくのですが、そんな時間的余裕のある受験生は少数派でしょう。
余裕のない受験生にとっては、第一志望合格という目標を最優先にした場合、それらの時間は無駄とは言わないものの非常にコスパの悪い時間となってしまいます。
そんな事をやっている暇があったら、その時間で大量の問題を解き、大量の解法パターンを頭にぶち込む方が本番の点数は高くなるでしょう。
結果最重視で行くと、どうしても過程を効率化させなければいけないのです。
私も効率化は大好きですが、なんでも効率化していては息がつまります。
目標のためなら過程は気にしないという人は受験に向いています。
目標さえ明確なら、過程の快苦関係なしに頑張れるというのは才能です。
受験で間違いなく役に立つスキルですし、きっと将来、お金さえ貰えれば好きでも無い仕事を頑張れるか、ということにも繋がります。
自分の無能さと向き合い続ける
この話は、毎日全力で勉強できている人には関係ない話です。
受験勉強生活では、毎日毎日自己嫌悪に陥ることになる人もいると思います。
「今日は全然勉強できなかったから明日は頑張るぞ」→「結局勉強できなかった…」が毎日続いていく感じです。しんどいですね。
「なんで自分は頑張れないんだろう」という気持ちを毎日感じなければなりません。
私がそのタイプの人間ですが、そういう人はそのままダラダラ過ごして受験本番を迎えることになります。悲しい。
これも受験勉強の辛さとして効いてくる部分でしょう。
勉強しても結局数学ジャンケンの運ゲーになる
私の受験モットーは「受験は運ゲー」ですが、その最たる理由を話して終わりにします。
突然ですが、受験で一番差がつきやすい科目は何でしょう?
正解は数学です。
結局、万遍なく勉強している者同士が戦った時、最後に差がつくとしたら数学です。
数学というのは恐ろしい科目です。
いつも6割は絶対取ってるという人が本番2割3割に…というのはありふれている話です(難関大で特によく見る光景)。
他の科目ではここまで極端なことはなかなか起きません。
数学は1問の配点が20~30点、大学によっては100点近いところだってあるでしょう。
そんな配点だと、たった1問が苦手/得意分野だったから不合格/合格、という状況が余裕で起こり得ます。
正直、こんなのジャンケンと大差ないと思ってしまいます(実際、私はこれを”数学ジャンケン”と呼んでいます)。
このジャンケンに負けないために、数学の全分野を得意にしようねという話になりますが、そんなものは普通の受験生には不可能です。
東大数学9割安定です!みたいな受験のプロもいますが、普通はいくら勉強しても苦手な分野はいくつか残るものです。
日本の最難関校である東大の理系数学の合格者平均点をご存知でしょうか。
理三は流石に別格ですが、理一・理二は、ここ3年は5割前後らしいです。理二は5割切ってます(ソース)。
(点数開示を集計した分の非公式の平均値ですが、実際の平均より少し高めに出てる可能性が高いとのこと)
恐らく、一部の数学妖怪以外はみんな「自分は数学ができない…」って思ってます。
そういうわけで、数学で点数を稼ごうという戦略は危険ということになり、点数の安定する英語であったり、頑張ったら点数がついて来やすい理社を頑張るわけです。
しかし、難関校であればあるほど、そういった科目はみんな固めてくるので、結局数学出題ジャンケンの合否に与える影響が大きくなってしまいます…というお話。
志望校の過去問をみて「去年のセットだったらなぁ…」とか思うときありますよね。
私も受験するたびに「確率が出たら負け、確率が出なかったら勝ち」の運ゲーやってます。
そんなギリギリの勝負やってるのが悪いって言われそうですが、まぁ無理なもんは無理…
受験生は数学のセットで半分以上が苦手分野であっても受かるくらい理社英を仕上げることが大事だと思います。
受験勉強を楽しくするための工夫など、是非多様な意見を聞きたいものですね。
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