京都大学を受験するにあたり、数学は文理問わず関門となる人が多いと思います。
数学の配点が大きい上に数学は一日目ということもあり、数学で失敗すると二日目にも響くので失敗は避けたいところ。
今回は、そんな京大文系数学に特化し、点数を最大化するための勉強法を紹介します。
勉強の前に目標点を定めよう
このページに飛んできた人の中には「効率的な勉強法を早く教えろ!」という気持ちの方が多いかもしれません。
しかし、何らかの勉強法を知り、その勉強法で以て闇雲に勉強をすすめるというのはそれこそ非効率です。
まず当たり前のことですが、人によって目標点というのは違うはずです。
残念なことに、数学というのは受験数学であっても向き不向きが割とはっきりするもので、数学が恐ろしく苦手な人が本番で満点近い点数を目指そうとしてもまず無理だと思います。
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数学が恐ろしく苦手な人は、数学の目標点を低めに設定して他で稼ぐしか無いのです。
そうなると勉強の方針や勉強量も人によって変わってきますよね。
そういうわけで、まずは京都大学の学部別合格点を参照し、自分の他科目との兼ね合いも考えた上で、数学の目標点を設定しましょう。
英語が抜きんでて得意とかいう場合以外は、最低でも5割が一つの目安になるかと思います。
京大文系数学は大問が5つで150点満点です。
2完(2つの大問で完全解答)して残りで部分点を少し稼ぐと5割(75点)になります。
私は数学が少しだけ得意だったので、120点を目標にしていましたが結局本番は100点でした。
低い点数では無いと思いますが、自分の目標点から20点も低いです。
数学を過信しすぎた結果です。
過去問を解いていきながら、最初に定めた目標点に無理が無いかということもしっかり確認していきましょう。
まずは基礎を固める
人によって勉強法は違うと言っても、少なくとも最初の段階では殆ど皆が同じような勉強をしているはずです。
受験生は先生などから口酸っぱく言われているとは思いますが、まずは基礎を固めましょう。
具体的に何をやればいいかということですが、最初は普通に教科書をやればいいと思います。
そして可能ならば数研出版の教科書を使うべきだと私は思います。
大学生になってから知ったことですが、出版社によって教科書の中身はかなり違います。
数研出版のものは比較的硬派でありながら、数学の魅力も紹介してくれていて、読んでいて結構楽しい部分もあります。
演習問題では少しばかり歯ごたえのある問題も散見されます。
数学IAⅡB全て揃えるとなると費用がかさむので、自分の苦手な分野を含むものだけ購入するというのでもいいと思います。
教科書の内容を正確に、十分に咀嚼したらその後は参考書などに手を出します。
青チャートなり、プラチカなり自分に合うものを探していきます。
教科書の後にやるといい参考書は別記事でまとめていますので是非そちらを御覧ください。
京大文系数学の傾向・対策の優先順位
さて、ここから具体的に京大文系数学についての話に入っていきます。
取り敢えず基礎を固めたら過去問を解いてみましょう。
どこの大学も大抵そうだと思いますが、頻出分野というのがあります。
京大文系数学では中でも微積分、確率、整数が特に頻出であると言えるでしょう。
当然、過去物が楽勝に解けるならば特別に対策する必要はありません。
しかしそうでない場合はそれらの分野を優先的に勉強するというのが効率的となるわけです。
ちなみに微積分の問題は基本的な問題であることが多いので、比較的対策しやすいと思います。
個人的に問題なのが確率と整数です。これらは十分な対策が必要となりえます。
頻出分野が苦手分野だと本当に最悪です。その最悪な状況を経験した1人が私です。
私なんかは確率が大の苦手で、センター試験の確率も普通に間違えていました。
京大過去問の確率の問題もほぼ確実に解けなかったので、最終的に諦めました(当然本番も確率のみ白紙)。
これは非常に危険で、残念な戦略であることは誰もがお分かりになると思います。
試験が始まる前の時点で1問(30点)捨てているのです。
私ほど割り切った戦略を取る人もそんなにいないかもしれませんが、そうでなくとも頻出分野が苦手だと圧倒的に不利になります。
完答は無理でも部分点を稼げる程度には勉強しておくべきでしょう。
というわけで確率・整数で有名な参考書を紹介しておきます。
まずは確率分野から「ハッとめざめる確率」
ちなみに私は高校生の頃にこれやりました。めざめませんでした。
かなり本質的なところから説明してくれている参考書で良かったんですけど、自分の頭が悪すぎたみたいです。
整数分野では「マスター・オブ・整数」が有名です。
友人から少し中身を見せてもらった程度の感想ですが、なかなかにハイレベルな参考書だという印象を持ちました。
余裕のある人はやってもいいと思いますが、人によっては重すぎるかもしれません。
分量的なことも考えると「教科書だけでは足りない大学入試攻略整数」が良いと思いました。
京大の整数では素数を絡めた問題がよくでます。
素数絡みの問題を重点的にやるだけでも意味があるでしょう。
過去問の解き方
教科書・参考書をやって過去問演習。調整の必要を感じたらまた教科書・参考書に戻る。
漠然を過去問を解き散らかすのではなく、このサイクルを念頭に置きながら効果的に演習を積んでいきましょう。
以下では過去問の解き方について解説していきます。
年度別に解く
まず、本番さながらに1年分単位のセットで解いていくというやり方。
最初の方は時間制限は無視して、京大数学はどのような感じなのかを知るべく、気楽な気持ちで挑戦してみましょう。
京大と言えど、全ての問題が鬼のように難しいわけではありません。
近年では5問のうち2問は標準的な難易度の問題であることが多いです。
過去問をやることで、そういった標準的な問題の見極めも自然にできるようになってきます。
また、受験が近づくにつれ時間を計って解いていくことになると思いますが、ここで重要なことが最初の15分くらいは問題全体の分析時間に当てるということ。
全員必ずそうしろとは勿論言えませんが、少なくとも凡人は、考えなしに速攻大問1に手を出して順番に解き進めていくというようなやり方は避けるべきだと思います。
まずは全ての問題に軽く目を通し、各問題で少しペンを走らせます。
例えば整数問題なら「素数が2とそれ以外で場合分けが必要そうだ」とか、図形問題なら「ここの角度をθでおいてsin cosで辺を表そう」とかそういった具合のことを掴みます。
そうして全問題の難易度が大体わかったところで、1番簡単そうな問題から順番に手を付けていきます。
パッと見で難しそうな問題でも意外と簡単だったりその逆もあったりするので、軽く手を動かしてみるということは重要なのです。
さて、このように年度別に過去問を解いていくうちに自分の苦手な分野が分かってくるかもしれません。
その場合、分野別に解いていくことも有効な演習法となります。
分野別に解く
赤本は20年分以上の過去問が収録されています。
その全ての問題を解ければ勿論良いのですが、そこまで余裕のある人はそこまで多くないと思います。
苦手な分野を重点的に解いていくというやり方も考えるべきでしょう。
同じ分野を解き続けることで、京大特有の癖もより見えてくるようになります。
また、赤本の解説にどうも納得できない場合や、「どこからその発想がでてくるんだ?」となってしまう場合は参考書を利用した過去問の理解が有用になります。
その役目を果たしてくれる参考書の一つが「世界一わかりやすい 京大の文系数学 合格講座」です。
この参考書は過去問が分野別に収録されていて、分野ごとに気をつけるべき点をまとめてくれています。
そして最も素晴らしい点が、問題を読んで解法を思いつくまでの思考過程を丁寧に説明してくれているところです。
赤本の解説の中には発想が突飛と思えてしまうようなものもあります(私の理解力のせいなのでしょうが)。
「世界一わかりやすい京大文系数学」は、解説のような発想に至るには何が分かればいいのか、ということを教えてくれる良書です。
割と分厚い本なのですが、全ページやらずとも苦手分野のためだけに手元に置いておくのでも良いと思います。
まとめ
少し長くなってしまいました。取り敢えず京大の文系数学対策については以上になります。
簡単にまとめると
基礎を徹底させる
→過去問へ(目的に合わせて年度別に解いたり分野別に解いたり)
⇄苦手分野・頻出分野を確認し教科書・参考書などで補強
という感じになるでしょうか。
数学に関しては、ガチ勢以外は割と運要素が相対的に大きい科目だと思っています。
それに比べて、例えば英語などはかなり点数が安定する科目です。
数学の深追いに気をつけつつ、「数学は最悪コケなければOK」という気持ちになれるように他科目の勉強も頑張りましょう。
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