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大学受験で微積物理をやるための最高の参考書を見つけた

大学受験全般

(大学などで物理を専攻している方々は”微積物理”という言葉を不快に思うかもしれませんが便宜上こう呼ばせていただきます。)

 

以前私は物理の参考書を紹介させていただきました。

この記事は微積物理に焦点をあてた記事ではなく、大学受験のための物理の参考書・問題集という大きなくくりで書きました。

 

高校の物理は極力微積を避けており、実際大学入試においては、微積物理なんてものをやらなくても解ける問題がほとんどでしょう。

 

ですがそれではつまらないし、何より物理がただの公式を当てはめるパズルとなってしまいます。

 

今回の記事は微積物理で高校物理を理解したいという意欲的な人のためのものです。

 

微積物理で高校物理を説明している良さげなを本を見つけ、自分で買って実際に全ページ読んでみた結果、とても良い本だと思ったので紹介したくなりました。

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はじめて学ぶ物理学

紹介したいのは「はじめて学ぶ物理学 学問としての高校物理」という本です。

タイトルがすごいピンポイントですよね。

このタイトルに見事に釣られて私は手を出しました(釣られて良かったので問題ないですが)。

 

この本は大学受験用参考書という分類では無く、一般書籍の分類(だと思います)です。

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日本評論社からでていますしね

 

本書の”はじめに”の部分の著者のコメントを引用します。

物理学では,論理を稠密に繋げるために言語として数学を活用します。高等学校で使われている教科書は,数学の学習進度を考慮して数学的な記述が敬遠されています。そのため,物理法則 の結論を公式として暗記するような学習に終始しがちです。このテキストでは必要に応じて数学的な手法を躊躇なく使っていきます。それが本来の物理学の手法に他ならないからです。

 

この著者のコメントの通り、数学的記述を踏まえて段階をふんで説明がなされています。

公式を載せて、さぁこの公式を使って問題を解きまくろう!というのが嫌いな人、公式そのものについての理解を深めたい人にはピッタリです。

構成

本書は上下に分かれています。

上では力学・熱学・弾性波動、下では電磁気学・光波・ミクロな世界の物理といった構成になっています。

 

大体のページ数をいうと(本のサイズはA5判です)、力学は160p、熱学は50p、弾性波動は40p、電磁気学は140p、光波は40p、ミクロな世界の物理40pです。

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やはり力学と電磁気学の割合が大きいですね。

 

余談ですが電磁気学の範囲が本当に素晴らしかった。

両方買うのはちょっとな…という方は電磁気学の分野のためだけに下を買う価値があります。

良いと思った点

この本の良いなと思ったところは、言葉での説明がかなり多いというところです。

このような本ではほとんど式が淡々と並んでいるだけといった、読み手の高い理解力が要求されるような本がしばしばあります。

 

しかし、この本では式に対して細かく説明がされているのでかなり助かりました。

 

加えて、理解を深めるための例題がちょこちょこ載っているのも良いところ。

(〇〇を求めよといった問題はないのですが、このモデルを考えてみようという感じで例が載っています)

 

復習するときはその例題を確認して、それがちゃんと理解できなかったら本文を読むというのがいいと思います。

この本を読むのに必要な知識

物理の知識は無くても大丈夫かと思われます。

むしろ変な先入観がないという意味では初学でこの本をつかむのは良いことかもしれません。

 

重要なのは数学の知識です。

高校数学の数Ⅲまでの知識を持っていることが望ましいです。

数Ⅱまでの知識でも逐一調べれば無理とは言わないですがかなり面倒くさいと思います。

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例えば熱学の分野(カルノー・サイクル)ではlogの微積(数Ⅲ)がでてきました。

 

また、高校内容を超えた数学の知識も普通にでてきますが無論それらについての説明はなされています。

例えば高校の数学ではやらないベクトルの外積が出てきたときは、外積の説明に3ページほど割かれていました。

高校物理の範囲に縛られない情報

しばしば高校物理の範囲外のことにもページがさかれています。

 

力学のコリオリの力、電磁気ならビオ・サバール、アンペールの法則、熱分野ではエントロピーなど、知っていると高校範囲物理の理解に役立つものやそれ自体で面白く、興味のそそられるものが取り上げられています。

 

これは私が大学生という身分で、ある程度精神的余裕があるからなのかもしれませんが、それらの部分を読むのは非常に楽しかったですね。

 

入試まで時間のないという方は飛ばして読んでも構わないと思いますが(レベルの高いと思われる部分は著者が<発展><参考>の表記をしてくれている)、後で余裕ができたら必ず読みましょう。

説明を読んでも分からなかったら?

私も本書のあらゆるの記述を一回で全て理解できたわけではありません。

 

私の理解力の低さが主な原因でしょうが、何回読んでもよく分からなかった部分はあります。

そういう時はどうしたかというと全てネットで調べました。

 

調べる中で見つけた、理解の手助けになったサイトを紹介しておきます。

映像授業 Try IT(トライイット)

EMANの物理学

FNの高校物理

 

Try ITさんのページはYouTubeチャンネルです。一応リンクを貼りましたが、再生リストが多すぎるのでYouTube上で「高校物理 〇〇(分野の名前)」と検索したほうが早いです。

現象がうまく想像できない時、映像というのは頼りになります。

 

大体この3つを当たれば解決すると思います。私も大変助けられました。

相性ぴったりの問題集

「はじめて学ぶ物理学」で勉強したら、問題演習に移りましょう。

ここで注意していただきたいのが、「はじめて学ぶ物理学」を最初から最後まで読み終わってから問題演習に移るやり方ではなく、分野によって区切るということ。

 

例えば「はじめて学ぶ物理学」で力学の円運動を読み終わったら、次の項に進む前に問題集の円運動の部分を演習するという感じ。

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好みの問題ですが区切りはあまり大きくないほうがいいと思います。

 

インプットとアウトプットの前は置くべきではないというのが持論です。

 

さて、この「はじめて学ぶ物理学」と最高に相性のよい問題集があります。

それが体系物理です。

 

この問題集は公式を導出させる問題や、公式そのものの理解を深められる問題が豊富に含まれています。

「はじめて学ぶ物理学」と合わせて使うのにもってこいです。

 

ただ、問題数が全部で401問となかなかに多いので計画的に進める、もしくは問題を取捨選択する必要があります。

 

問題は標準問題と発展問題の2つに分かれています。

標準問題の前半部分は、流石にこれは簡単すぎると思うような問題も含まれていますが、発展問題では考えさせるような問題も結構ありました。

 

随時「はじめて学ぶ物理学」に戻りつつ理解を深めながら問題を解き進めていきましょう。

微積物理をものにしよう

微積物理はものにするまでが大変で挫折する人が多いとは思いますが、必死に食らいついてものにすれば物理に関してはかなりの実力が期待できるでしょう。

 

『はじめて学ぶ物理学 学問としての高校物理』はすでに数Ⅲまで履修済みの浪人生、また物理学科を志す受験生などには特にオススメしたいです。

 

大学入試の問題の多くは、とりあえず公式覚えとけば解けるみたいな問題が多い故に、微積物理なんていらないじゃんってなるかもしれませんが、真の実力をつけるなら微積は避けて通れません。

 

とりあえず微積物理に手を出してみましょう。それで駄目なら駄目でいいではありませんか。

その悪戦苦闘した時間は無駄にはなりません。必ずその後の理解の一助となります。

是非ともチャレンジしてみてください。

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