このサイトでの勉強法は基本的に独学を念頭においています。
これまで大学受験のための独学を書くことが多かったのですが、今回は独学一般に関して言えることを書こうと思います。
一番簡単なことから始める
何かを独学しようと思ったとき、プライドを投げ捨てて一番簡単な段階から勉強を始めるべきです。
「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、恐らく簡単のレベルが違います。
自分の場合、今までの人生で触れたことのないような分野を勉強する時は図鑑などの小学生が読むような本から読んだりします。
それらは学生や大人向けに書かれた、入門書のような書籍よりは情報量は減ります。
しかし、子供用の本は前提知識の有無を問わない場合が多く、またイラストや絵が豊富なために概念の説明についても理解できないということがまずありません。
入門書と書かれているわりには前提知識が必要だったりする本は沢山あります。
その場合、前提知識を埋めることを並行して本を読む必要がでてくるのでモチベーションが削がれます。
それで挫折するよりは、子供向けの本を読んで「簡単だけどまずは一冊読んだぞ」という成功体験を獲得したほうが良いのです。
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独学の一番の問題はモチベーションです。
モチベーションが消えてしまうことを最優先で避けるべきなのです。
入門書は複数用意
子供向けの本や一般向けの本を読んだら、次は入門書となるようなテキストを勉強することになります。
入門書は大学の学部ページで紹介されていたりします。
また、ネットで検索すれば研究者がオススメの本をあげたりしています。
それらを参考にするのが比較的安全な道となるでしょう。
さて、いざ勉強を始めようという時の注意点としては入門書となるようなテキストは複数用意するべきということが挙げられます。
その理由は主に2つです。
1つは、たとえ入門書と言えどどうしても書き手の専門により内容に偏りがでてしまうため。
もう1つは、ある本で分からなかった内容が別の本ですんなり分かることがあるためです。
テキストを書いているのは大学の先生であり膨大な知識があるのは間違いないですが、ある学問分野の全ての領域について平等の知識量を有しているわけではありません。
どうしても自分の専門分野は細かく記述してしまうという場合もあるでしょう。
その偏りをできるだけ無くすためにテキストは複数購入すべきです。
複数読むと、Aでは取り上げられていなかったことがBではやけに細かく書いてあるということに気づけます。
また、取り上げる内容の偏りだけでなく、ある概念についての説明過多・不足がテキストによって違ったりもします。
理解促進をスムーズにするという面においてもテキストは複数用意するべきなのです。
本のレイアウト・色の問題
本を選ぶ時、その本の内容が今の自分に適切かということを一番に考えるというのは当然です。
しかし、モチベーション維持ということを考えると本の色使いやレイアウトも重要です。
一見、カラフルでポップな書籍は読みやすいと思うかもしれません。
図鑑などであればその方が良いかもしれませんが、まともに文章で説明をしようとしている書籍の場合、下手に文字がカラフルだったりすると読みづらくてしょうがないです。
加えて、色だけでなくレイアウトも気にするべきです。
見出しが適度に細かくあったり、箇条書きが適切な場所で利用されていたりすると読みやすいです。また余白なども意外と重要です。
内容を重視するのは当然ですが、本をパッと開いた時の印象も重視してみてください。
内容の3割以上理解できなかったら諦める
選択した本の内容が今の自分のレベルに適切かはどうやって判断すればいいでしょうか?
自分の場合、内容の3割以上が理解できなかったらその本は自分には不適切であると結論付けて読むのを辞めます。
理解できない部分が多いということは、その本を読むにはまだ時期尚早であり、その本を読むための前提知識がまだ自分に備わっていないということです。
それか自分の理解力が乏しいか…
一冊読み切る成功体験が重要とは言いましたが、理解できない部分が多い本に無理に固執して読むことは苦痛です。
そして苦痛はモチベーションを削ぎ落とす要因となります。
今の自分にはレベルが高いと感じたら無理に固執せず、潔く諦めることが重要です。
ちなみに自分は3割以上理解できなかったら諦めることにしていますが、この3割という数字は当然人によるとは思います。
「内容の半分が分からなくても残りの半分は分かるのだから読み進めるべきだ」という5割派の人もいるでしょう。
そこは自分のモチベーションと相談していただくことになります。
100%理解しようと思わない
「3割以上理解できなかったら諦める」と書きました。
裏を返せば、理解できない部分が3割未満なら勉強を続行します。
読んでも理解できない部分はどうしてもでてきてしまいます。
ただ、自分が思考を放棄しているだけの場合もあるので、まずは前の文章を読み返したりして分からない部分の理解に努めます。
そうして長々と考えた上でどうしても分からないという場合はそこに印か何かをつけて次に進みましょう。
分からない部分に関しては、時間を置いたら急に理解できたり、別の本を読んだらすんなり理解できたりということが往々にして起こりえます。
例えば、数式が理解できないという時、数式に含まれる記号の表す意味(定義)やその数式を全体でみた時の性質(全体として何が言えるのか)が分からず、数式が記号の羅列として認識されてしまっていることが多いです。
しかし、たまたまその本では説明が省略されているだけで、別の本ではその数式をできるだけ自然言語で置き換えて説明してくれているかもしれません。
1冊のみで理解しなければならないなんていう縛りはないのです。
そういう意味でもテキストを複数持っておくことは重要ですね。
参考書周回&一周目は素早く
受験や資格試験において、参考書を周回するというのはもう勉強法の原則となっているので言及しなくてもいいでしょう。
ただしそれに加えて参考書の一周目はできるだけ素早く行うということも意識すべきです。
これは内容を100%理解する必要はないということとも関連します。
7割くらいの理解度でもいいので、とにかく素早く一周することです。
なぜ素早くなのかということについては主に以下2点が理由です。
・時間をかけるほどモチベーション維持が難しくなってくる
・一周目と二周目の時間間隔が空きすぎると一周目で勉強した内容を忘れてしまう
毎日数ページしか進んでいないと「一体これいつになったら読み終わるんだ…」という気持ちになり、読了しようという気持ちが次第に小さくなってしまいます。
また、一周目と二周目の時間間隔が空くにつれて周回の効果が薄れます。
復習は忘れかけているタイミングでするのが一番いいとされます。
二周目の時に一周目で学んだ内容を忘れていたら、二周目と言えどまた一周目をもう一回やるのと同じ、とまでは言いませんが周回の効果は激減です。
独りよがりの勉強にならないために
自分がモチベーション弱者であることもあり、モチベーション維持を念頭に、独学における注意点を述べました。
独学は楽しく、やりがいもある反面でどうしても独りよがりの勉強になりがちです。
友人や先生など、他人からのフィードバックを貰える人はそういった要素もうまく活用して効果的に勉強を進めていくべきであるとは最後に述べておきます。
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