昼夜逆転…それは学生・社会人を初め、多くの人が直面する課題です。
夜についつい夜ふかししてしまう、そもそも眠ることができないなど様々な原因で昼夜逆転は起きてしまいます。
日中に活動しなければならない人にとってはこれは大問題。
集中して終えなければならないタスクがあっても、日中に眠くなってしまっては効率は落ちてしまします。
そして日中に終わらなかったタスクを夜に回さざるを得なくなり、また夜ふかし…
この最悪ループに入ってしまっては昼夜逆転の生活の脱却は難しくなってしまいます。
私もここ数年間、重度の昼夜逆転人間でした。
そこで医者に相談したり、本を読んだりして試行錯誤を繰り返し、ついに昼夜逆転生活の呪縛から解き放たれました。
今でも敢えて夜ふかしをすることはありますが、朝方生活に戻そうと思ったらすぐに戻せるような状態になっています!
昼夜逆転問題は結局、睡眠と覚醒の問題に帰着されます。
睡眠だけの問題だと思っている方もいると思いますが、寝ていない時間すなわち覚醒状態にも着目する必要があります。
今回は昼夜逆転を治す方法に飽き足らず、睡眠の質をあげる方法もまとめて紹介します!
早寝早起きは一旦無視していい
昼夜逆転を治そうとして、いきなり「よし早寝早起きをしよう!」と意気込む人。
そのやる気自体は素晴らしいと思いますが早寝早起きをセットで頑張ろうとは思わないでください。
大事なのは毎日同じ時刻に起床するということです。
勿論、就寝時刻と起床時刻を最初から固定できればいいですが、それが出来ていないから昼夜逆転が起きているんですよね?
起床時刻の固定は、早寝早起きとは違います。
例えばあなたが毎朝7時に起きたいとします。
そうしたらあなたは何があっても7時に起きなければなりません。
何時に5時に寝ようが6時に寝ようが7時に起きます。
とんでもない荒療治に思えるかもしれませんが、実際これは私が医者に勧められた方法です。
正直なところ最初の2日は地獄です。
めちゃくちゃ体だるいし、眠いし「今すぐ寝たい」以外の感情が芽生えません。
ですが3日目くらいからは体が慣れてきて夜になれば自然に眠くなり、朝には自然に目が醒めます。
ここで問題なのが、日中にどうしても眠くなってしまうことですよね。
頑張って起きる時間を固定したとしても、日中に本格的に眠るようなことがあっては元も子もありません。
では起きている間はどのように過ごせばよいのでしょうか?
睡眠までの過ごし方が重要
良質な睡眠をとったり、すぐに入眠したりするためには睡眠直前の行動だけに気をつけていればいいわけではありません。
睡眠以外の時間における行動習慣が重要です。
夜に眠れないというのは脳が活発に活動しているから。
昼と夜での活動にメリハリをつける必要があります。
良い睡眠のためには良い覚醒が必須条件なのです。
そこでキーになるのが光です。
まず起床直後。起床したら真っ先に太陽の光を浴びましょう。
光の刺激が脳を活性化させるのは研究でも分かっていますし、感覚的にも分かると思います。
ちなみに曇りや雨の日でも窓を開けて外の光を浴びてください。
太陽が顔をだしていなくても、脳の活性化に影響を与える程には十分な光が得られます。
また太陽の光を浴びることでメラトニンの分泌を抑えることが出来ます。
メラトニンには入眠を促す効果があることが分かっており、実際睡眠のためのメラトニンサプリがあります。
「じゃあサプリ飲めばいいじゃん」と言う方もいるでしょうが、メラトニンサプリは効く人と効かない人がいる上に、行動習慣によってメラトニンの分泌調整は可能になるのです。
サプリに頼らなくてもいいならそっちのほうがいいですよね。
メラトニンは入眠を促すのですから、覚醒状態ではメラトニンの分泌を抑える必要があるのですね。
そのために外の光には必ずあたりましょうというわけです。
日中に太陽の光を浴びて脳を活性化&メラトニンの分泌も抑えることで、昼と夜でメリハリのある行動習慣をつけましょう。
昼寝をする時の注意
昼間に眠くなってしまうことは誰しもありますよね。
昼の後もやるべきことがあるにも関わらず、眠いまま作業を続けるのは苦痛です。
どうしても眠気を我慢できず昼寝をしてしまう人はいるでしょう。
この昼寝にも注意を払う必要があります。
昼間をしてはいけないというのではありません。
首をカックンカックンさせて半分寝たような状態ではなにもできません。
寝たほうが結局効率はあがるでしょう。
しかし長時間の昼寝はよくないです。
具体的には30分以上の睡眠は危険。
昼にぐっすり寝ることでかえって集中力が低下したり、夜のスムーズな入眠を妨げます。
さらに、30分未満の昼寝をする人は昼寝の習慣がない人に比べて認知症発症リスクが約1/7だったのに対し、1時間以上昼寝をする人は昼寝の習慣がない人に比べて認知症発症リスクが2倍だったという研究結果があります。
(国立精神・神経医療研究センター朝田隆氏、高橋清久らによる研究)
昼寝をするなら、夜の睡眠に影響がでない夕方前。
そして昼寝の時間は20分程度というのがベストのようです。
寝る90分前に入浴
体温には皮膚温度と深部体温の2種類があります。
皮膚温度とは皮膚すなわち体の表面の温度で深部体温とは体の内部の温度です。
入眠時には皮膚温度を上げて深部体温を下げることが良質な睡眠のためには重要なのですが、深部体温は温度が上がった分だけ大きく下がろうとする性質があります。
40℃のお風呂に15分つかると深部体温は0.5℃あがったという実験データがあり、この深部体温がもとに戻るには90分かかるとのこと。
つまり就寝90分前に入浴すれば、寝る頃には深部体温がもとに戻り、その後でさらに深部体温が下がっていくのでスムーズに入眠できるということです。
寝ようと思う時間から逆算して入浴する時間も固定してしまいましょう。
夜ふかししてしまう理由
最後に、夜に眠れないのではなく、”眠らない”人について個人的な意見を述べたいと思います。
寝る直前に布団の中に入りながらスマホでYouTubeを見たりSNSをみたりしてついつい夜ふかしをしてしまう人はいると思います。
このついつい夜ふかしをしてしまう一つの原因として自分の一日に満足していないからというのがあげられると思っています。
その一日で精一杯頭を動かしたり、手を動かしたりしていれば「今日は一日頑張れた」という心地よい疲労感に包まれ、自然に眠ることができるはずです。
満足していないと何らかの娯楽でその不満足感を埋めようとしてしまいます。
偉そうに言っていますが私にも心当たりはあります…
まずは一日一日を惰性で過ごすのではなく、目的をはっきりさせて生きていくことが大事なのかなーなんて思ったりします。
そうすれば毎日の睡眠も至福のひとときとなるでしょう。私はそう信じています。
参考書籍紹介
今回の記事はこの本で得た知識を中心に書かせていただきました。
この本は最新の睡眠の研究結果を引用しながら睡眠それ自体・睡眠問題など多岐にわたる分野での説明がなされています。今回紹介したのは極々一部です。睡眠に悩んでいる全ての人にオススメしたい1冊です。
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