受験・進路の相談を承ります(クリックorタップ)

【当事者が書く】ADHDのための大学での履修・試験勉強法

大学生活

ADHDの人は(想像に難くない事ですが)大学卒業率が定型発達者にくらべて低かったり、転職回数が多かったりするらしいです。

 

私もその例に漏れず、大学は2回退学しています。

今回はその経験で思った、ADHDの人が大学生活で気をつけるべきこと、特に講義の履修・試験勉強に関して書いていきたいと思います。

 

勿論、書いていること全てがADHDの方全員に当てはまるわけではないでしょうが、部分的にでも役に立てば幸いです。

スポンサーリンク

リマインダーを必ず使う

私は大学入学後、最初のガイダンスに行きそびれて以降一気に崩れました。

 

ガイダンスの日程表・履修登録の手引きは必ず配られますが、そんなのADHDにとってはただの紙くず以外の何物でも有りません。

 

多分その貰った書類は数日でどっかに消え去っています。

 

今の時代なら、恐らくそういった書類は大学のWebサイトにてpdfでダウンロードできるはずです。

必ずスマホなりタブレットなりにデジタル媒体で保管しておきましょう。

 

加えてガイダンスや履修登録の日時にも要注意。

ただでさえ忘れっぽいのに、入学初期の慌ただしい時期において特に対策しなかったら細かい日時とか絶対何かしら1つは忘れます。

 

スマホのリマインダー機能に重要な日時を必ずセットしてください。

i
i

自分は「リマインくん」という公式LINEのアカウントを使っています

特にガイダンスとかの出かける用事のときは、恐らくADHDの人は遅刻を恐れ、予定日時に対してかなり余裕を持ってリマインダーを設定するでしょう。

しかし、それだけでは逆に危険です。

 

私はリマインダーを予定日時の△時間前とかに設定した時は、リマインダー通知を受け取っても「なんだまだあと△時間もあるじゃん」となってダラダラして結局遅刻みたいなことが何度も起きていました。

 

これを防ぐためにも、予定に間に合うギリギリの時間でのリマインダーも設定しておきましょう。

 

さらに私は”用事がある”ということを頭に刷り込むために、リマインダーは予定がある日の1週間前、1日前、1時間前、▽分前(▽は自宅から大学に間に合うギリギリの時間)というふうに細かく設定していました。

 

まぁこれでも遅刻とかあるんですけど、遅刻はマシと考えましょう。

イベントの存在自体が頭から消えているという最悪の自体をさけるのです。

 

困難は分割せよ

はっきりいって大学の履修登録は難しすぎます。

 

友達・先輩がいるとかなり楽になるので、もしその方面に望みがありそうなら積極的に友達・先輩との関係を大切にしておきましょう。

 

多くの人が要領よく履修の仕組みを理解していて驚きましたが、あれは先輩などから情報を得ているのでしょう。

先輩の知り合いができなくとも、せめて同じ学年に知り合いがいればそれらの情報が回ってくる可能性は高くなります。

 

私は友達がいなかったこともあって履修の手引きとやらを隅々まで読み込みましたが、それでもよく分からず本当に泣きそうになりました。

特に入学直後はいろいろやるべきことが山積しています。

ADHDはマルチタスクが苦手です。

優先順位をつけて1つずつ処理していきましょう。

 

基本的には”いつまでにやらなければいけないか”という情報で以て優先順位をつけていきます。

色々考えることがあるでしょうが、とりあえず直近のやるべきことだけに集中しましょう。

 

講義の種類によって、履修登録期間が違う場合とかもあって面倒くさいのですが、そういうのは前述の通りリマインダーを全力で駆使します。

”本当に”興味のある講義だけ取る

大学1年生の場合は、大学に入学して乗りに乗っていますから大量に講義を取ろうとする人も結構います。

i
i

私もそうでした。

 

よくあるのが大学1年、2年の間に一般教養科目は全部取りきって専門に早く集中しようという試み。

大変素晴らしいと思います。

 

ですが、だからといって単位合わせのためにそこまで興味の無い科目を入れるのはやめたほうがいいです。

 

よく楽単講義とかありますが、多くのADHDにとって楽単は楽単じゃないです。

勿論、その楽単とされている講義が自分に興味のあるものだったら全く問題ないですが、そうでもないのにとると恐らく楽単は落単に変わり落胆することになります。

 

また、シラバスを見て「おー、この講義面白そー」と思うレベルの講義は高確率で途中で行かなくなると思います。

可能な限り「この講義だけはどうしても行きたい!」と思えるような講義にしぼりましょう。

 

そういう講義の選び方をするとスカスカの時間割、もっと言えば4年では明らかに卒業できないような時間割が完成してしまうかもしれません。

しかし、私はそれで良いと思います。

 

詰め込みすぎた結果、リズムが崩れると「あー!もう全部どうでもいいや!」と投げ出してしまうことになるかもしれません。

実際私はそれを何度も繰り返しています…

関連:【留年&中退】ADHDの私が早稲田大学でGPA0を4回取った話

 

個人的に、発達障害持ちの人は最初から留年覚悟で大学生活に望むくらいの姿勢が良いと思います。

i
i

カウンセリングの人にも「4年で卒業しようと思うな」と言われました。

うまくやろううまくやろうと思ってできないと本当に自分が嫌になります。

 

悪く言えば諦め、良く言えばゆとりを持って大学生活に望むのです。

出席点の無い講義を取る

ADHDの人はひどく遅刻魔ですから、出席点がある講義だとそれだけで点数が引かれていきます。

あと単純に遅刻が確定したらもう行きたくない(これは自分だけ?)。

 

また、無駄に完璧主義とかだと、一回休んでしまった場合もう次からその講義には出たくなくなってしまいます。

私はそういうのが積み重なって昨年の前期は試験すら受けに行かないという授業が結構ありました。

 

”コツコツ”が苦手なADHDにとっては試験一発で成績が決まるような授業が性に合ってると思います。

前述の通り、本当に興味のある講義をとればそこそこ出席もするでしょうが、仮に不登校になったとしても試験のための勉強を過集中でどうにかします。

 

試験一発のおかげで助かったことは私にもあります。

私はある第二外国語の授業では初回以降一度も行かなくなってしまいました。

i
i

二回目の授業を休んだらどうでもよくなってしまった…

 

幸い第二外国語の成績は殆ど試験で決まるもので、私は試験前日に徹夜で14時間くらい勉強して試験に望み、ギリギリ単位をとることができました。

こういう巻き返しができるのが試験一発講義のいいところ。

 

新学期のときはやる気に満ち溢れていて、「ちゃんと毎回出席するぞ!」と意気込みがちですが、そんな気持ちは1ヶ月もしないうちに無限遠に飛んでます。

 

大人しく出席点の割合が小さい講義をとるようにしましょう。

試験勉強

ADHDの人は今まで、直前に全力過集中パワーを発揮してなんとかなってきた経験が結構あると思います。

しかし、大学の勉強ではそれが上手く行かない場合が往々にしてあります

 

高校だったら受験成功という目標が1つのモチベになりますから、勉強それ自体に対する関心が高いです。

 

でも大学での勉強のモチベは自分自身の好奇心頼りみたいなところがありますし、勉強する内容は言うまでも無く高校よりも難しいです。

 

高校の定期テストのように短期集中でどうにかなるという講義は多くはないでしょう。

 

しかし、だからといってコツコツ勉強もできませんよね。

そこで取り敢えずやっておいてほしいことが試験日の2週間前に勉強すべき内容をさらっと確認しておくというもの。

 

本格的に勉強をする必要はありません。読書感覚で試験範囲の内容を確認します。

 

これにより、どの試験勉強に時間を割くべきか、どの勉強を早めに始めなければならないかが大体分かります。

 

後で本格的に勉強を始める時、全く見たこと内容を勉強するのと、少しでも見たことがある内容を勉強するのではかかる負荷が全く違うのです。

 

ちなみに何故二週間前かというと、三週間前だとなんだかまだ時間がある気がして油断してしまうし、一週間だとものによっては間に合わない可能性があるからです。

 

理解系

数学などの理解系のものの場合、”分かっている”か”分かっていない”かの問題ですから、既に分かってるなら試験三日前くらいから問題演習を始めればいいと思います。

 

そうでない場合は7~10日前から勉強を始めましょう。

1日でその科目の試験範囲を全て理解しようくらいの心意気で望みます。

i
i

勿論何日かに分割して勉強できるならそれがいいですけど…多分無理でしょ。

問題演習も積めそうならその時に問題演習もやっておきます。

 

その1日での試験勉強はその1つの理解系講義のための勉強だけで終わってもいいと思います。というかその方が望ましい。

 

ある程度全体を理解できたら試験3日前くらいまで手を付けなくてもいいとおもいます。

そして試験3日前くらいから本格的に問題演習に入ります。

 

その時は多分ちょっと焦ります笑

なにせ試験約1週間前に1回勉強しただけですからね。

1日での詰め込みですから、記憶の定着率も良くはないと思います。

 

しかし、ちょっと焦るくらいがちょうどいいのです。

ADHDの人は余裕があると思いっきり油断します。

焦りを味方につけて、問題演習を頑張りましょう。

 

よほど難しい内容とかだったら知りませんが、少なくとも落単ということにはならないと思います。

暗記系

暗記系は結構難しい。

なぜなら試験日前日でどうにかなる場合が結構あるため、「まあ、前日に徹夜すればいいかー」となりがち。

 

しかし私はその考えで完全に失敗した経験があります。

普通は前日に勉強すると決めたら焦って前日の夜くらいに勉強すると思いますが、ADHDは先延ばしの達人

 

私は試験開始の1時間前にやっと勉強を始めました。

暗記系なら1時間前に全力で詰め込めば、短期記憶でギリギリ単位取得できるんじゃないかとか思ってましたが…結果は当然ながら残念なものに。

 

取り敢えず前日にしか勉強しないということだけは全力で避けましょう。

試験の3日前と前日の2日間だけ頑張ります。

 

3日前に勉強するかどうかで全然違います。

 

勿論ここまで述べてきたものは予定を立ててコツコツ勉強できない人というのを前提にした話です。

上手くやろうとしたけど上手くできなかった、という人は参考にしてください。

諦め

前述した通り、留年を前提に動くとかなり楽になります。

 

私は「留年はヤダ留年はヤダ」という思いから、自分のキャパ以上に頑張ろうとしすぎてパンクしました。

その結果が大学中退×2です。

 

まぁ自分でもここまで大学卒業に拘る必要は無いと思っているんですが、親が大学卒業だけはしてくれって懇願してきますし、大学卒業しとけば家庭教師くらいは将来できるかなーとか思ってるのです。

家庭教師くらいしかできそうな仕事が今の所無いので…

関連:【体験談】深夜の倉庫整理日払いバイトのリアルな実態を書いてみた

 

どうしても大学を卒業しておきたいADHDの人はストレート卒業を捨てるくらいの覚悟は必要だと思います。

試験勉強でも、どうしてもきつくなったら必修以外は全部捨てるとか、そういった”諦める”ことが大事だということをここ数年間の大学生活で痛いほど感じているのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました