深夜の工場倉庫整理バイトの労働システムが驚きの連発だった件

大学生活

 私、本気で大学卒業を諦めて(今も正直卒業は無理なんじゃないかと少し思っていますが)フリーターで生きていくためにバイトを初めたことがあります。

三度くらい。全て3日も続きませんでしたが…



そのうちの1つに、深夜帯の工場倉庫での派遣バイトがありました。たったの1日しか働きませんでしたがそこでの記憶は鮮明に残っています。

とても有意義な体験だったと思います。


なんと言いましょうか、これが分業制かと、こうして社会は回るのかと、人が人に上手く利用されている事実に勝手に巨視的な視点が芽生えたのを覚えています。



今回はその時感じたことを書きます。



工場倉庫などの派遣バイトは大体単発バイトとなっており応募ハードルが低く、一度はやってみたいと思う人もいると思います。

そういった方にも是非読んでいただきたいです。

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バスで移送される

現場には自分で直接は向かいませんでした。仕事場の工場倉庫は海の近くにあり、最寄りの駅からバスで現地まで運ばれます。



最寄りの駅から集合場所のバス停近くに着くと、そこでは数十人が一列に並んでいました。目印も何もなかったので、集合場所がそこであっているのか少し不安でしたが、私も列に加わりました。

そこでは誰も一言も喋りません。皆音楽を聴いたりスマホをいじったりしています。




しばらく待っているとバスがやってきたのでそれに乗車。

バスの運転手は出発から到着まで一言も喋りませんでした。恐らく運転手も派遣の方です。車内も誰も喋らないのでとても不気味でした。



駅から現場まで運ばれている間の不安感。

20~30分くらいバスに乗っていたと思います。


乗車時間が長くなるに連れ、外の人通りは減っていく…一体どこに連れていかれるんだろうと恐怖一心でした。

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現場到着

工場倉庫の場所は海の近くでした。

一緒に現場にきた派遣の人達の年齢は10代後半~20代前半の層と40代の層が中心だったと思います。

 


初めて勤務の人は説明するから来てと呼ばれました。

 

倉庫に入る前に簡易ロッカーが用意されているのですが、そこで携帯や財布などを置いていくように注意を受けました。


どうやら倉庫には発売前の商品があるらしく、その商品の写真をネットでリークされると困るので携帯は持ち込ませないとのこと。



それから番号札を貰いました。後述しますがバーコードの読み取りが主な仕事で、どのバーコードを誰が読み取ったか記録するためらしいです。

 

悠

ミスが多いとバレる。怖い。



倉庫内は本当に広かったです。商品の入った箱が棚に大量に並んでいました。

広大な倉庫は1~9番くらいまでのエリアに分けられていて私は6番エリアを担当することになりました。




仕事内容について簡単に。

 

まずiPad、バーコード読み取り機、それから大きめのボックスを配布されました。

最初に伝票を貰い、伝票に記載されているバーコードをバーコード読み取り機で読み取ります。


読み取り後、iPad(Bluetoothで読み取り機と同期してある)に商品番号がいくつか表示されます。



棚にある商品にはすべて番号がついています。iPadに表示される商品番号の商品を棚まで取りに行き、商品のバーコードを読み取り、配布されたボックスにつめます。


iPadに表示されていた番号の商品すべてのバーコードを読み取り終え、ボックスに詰め終わったらベルトコンベアにのせます。



説明がとても分かりづらくて申し訳ないのですが、

バーコードをひたすら読み取る→箱詰め→ベルトコンベアに流す

このループを想像していただければいいです。


休憩時間もありますが大体これを7時間くらいやります。

 

自分が機械になったようでした。

本当に辛かった。iPadから指示を受けてそのとおりに黙々と動く。



仕事って誰かの役に立っていることが分かったりすると多少はやりがいを感じるのかも知れませんがその仕事では全くやりがいは無かったです。

 



というのも先程自分は6番エリアを担当したと書きましたが、他のエリアでは何をやっているのか全くわかりませんし、全体としてどういう工程になっているのかも知りえませんでした。

 



自分が詰めたボックスがベルトコンベアに運ばれたあとどうなるのかは全く知りません。

自分の担当しているところだけをひたすらやる。あとは知る必要は無い。

分業制って本当に合理的なシステムなんだなぁと思いましたね。




しかしながらこんな単純でやりがいも無い作業を何時間もやり続けるのは地獄です。頭がおかしくなります。

ですからサボる人が一定数でそうですよね。



実際私も面倒くさくなって頻繁にウォーターサーバーの水を飲みに行ったりトイレに行ったりしてサボっていました。

ですが、やる気を出させる仕組み・サボらせない仕組みがそこにはあったのです。

徹底管理&やりがいという餌

仕事をして1時間、私は現場監督?の人から呼び出されました。

バーコードの読み取りミスが多くて怒られるのかなと思いました。




ですがそうではありませんでした。何やら表が印刷された紙を見せられたのです。

そこには従業員全員の一時間あたりのバーコード読み取り数が書かれていました。

前述したとおり仕事前に個人に番号が割り振られたので、誰が(正確にはどの番号の人が)何個バーコードを読み取ったか分かるのです。




バーコードの読み取り数が従業員の中で一番少ないということで注意されました。

 

「(表を私に見せながら)他の人はこれくらい読み取ってるでしょう?せめて1時間に△個は読み取ってもらわないと…」

 

そういうわけで私もペースアップを強いられたのです。

このシステムにより、仕事成果の最低ラインを守らせることが出来ますね。





これに加えて仕事ぶりの最高ラインをあげるためのシステムもありました。これがとても興味深かった。

倉庫内のそれぞれのエリアには大きめのスクリーンがそれぞれ設置してあり、そこには番号が書いてあったのですが、最初見たときは何の数字かわかりませんでした。




ですが休憩時間に私と同い年くらいの男の子二人組の

A「俺、絶対今回一番だわwジュース奢れよ」
B「いや、おれもメッチャ読み取れたよ」

という会話を聞いた時にハッと気づきました。

 


スクリーンにはバーコードをどれだけ読み取ったかの順位が載っていたのです

確か1位から10位くらいまで載っていました。

彼らはその順位を競っていたのです。





私にとってこれは衝撃でした。

なにせどれだけ大量にバーコードを読み取ったとしても時給制なので時給は変わりません。

ですから私のようなゴミはどれだけ仕事量を減らして給料をもらうか考えます。




一方で競争心を刺激されることでやる気になる人もいるのです。
その心理をたくみに利用したシステムでした。



従業員に対する追加ご褒美は必要ありません。ただ順位を貼るだけで仕事量を増やすことを可能にしていたのです。


システムにも驚きましたし人間の心理にも驚きました。



彼らは給料ではなく、従業員内での高順位獲得を”やりがい”にして全力で仕事に打ち込んでいたのです。



これらのシステムにより仕事成果の最低ライン死守&最高ラインの向上に成功していました。

 

心身疲弊し帰路に

朝の6時までが勤務時間でしたが、4時くらいからはダンボール潰しを指示されました。

二時間無心でダンボール潰してました。楽しかったです(棒)



仕事が終わり、倉庫を出ると外は明るくなっていました。

潮の香りが微かに混じった外気を目一杯吸いながら「もうここには来るのは無理だな」と薄っすら思ったのを覚えています。




帰りもバスに乗って駅近くのバス停でおろしてもらいお仕事終了。帰ってすぐ寝ました。

ちなみに給料は1万円ちょっと振り込まれていましたが、私にとってあの仕事による1万円は”やりがい”にはなりえず。





こうして工場での派遣バイトは一日で幕を閉じることになったのです。

人はうまいように搾取され、社会はまわる。



ほんの一端ですがその具体的仕組みを垣間見ることができた、私にとって貴重な一日となったのでした。



単純作業が全く苦でない人には工場派遣バイトは良いのかも知れませんね。では今回はここまで。



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主人公は中学卒業後、高校進学はせずに日雇い仕事でその日暮らしをする19歳の少年。将来への希望が見出だせない中、自らに降りかかる多くの葛藤との対峙を描いた作品。



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